不可能な家(プルガヌハン チプ)

 さてこの不可能な家は、物語りの後半ででてきます。ユンソクホ監督は、いろいろなキーワードを使って物語に厚みをだします。たとえば好きな色は白。季節は冬。ポラリス(北極星)。初雪。などなど。その一つに家があります。好きな人ができたらどんな家に住みたいか?というミニョン(ジュンサン)の問いに、家なんかどうでもいい、心の中の家が大切。と答えるユジン。そのヒロインが自分の愛する人と住みたい家はどんな家か?それを設計してみたけど、高額になってしまうので、作るのが不可能というのが物語の中の不可能な家(プルガヌハン チプ)です。これを恋人のジュンサンが彼女の思い出を失わないために資産をかけて建てる。この物語の最終回にその実物が登場します。そしてユジンがその家に行ってジュンサンと再会する。物語では、視力低下を余儀なくされるジュンサンが、ユジンの作った不可能の家の模型を一晩かけてデッサンに写し取って、これを図面にあげて建築する。。という流れになっていますが、よく見ると、模型と実際の建物は大分違います。ビデオにとって何回も見ましたが(笑)、模型は3階建てで、外階段と内階段があります。実物は2階建て(一部平屋)で外階段のみです。でも実物のほうがほんとよくできていますよ。実際模型ができてから、実際の家を探したのか?それともあとからそれに近いイメージの家を探したのか?是非監督に聞いてみたいものです。
 この不可能の家は、プサン市から船を2回乗り継いだ、ォウエド(外島)というところにあります。李昌鎬さんという方が、その島に、奥さん(崔浩淑)と二人で今日の外島海上植物園を作られました。その島の中心部のあるプライベートハウスがいわゆる不可能な家です。

 家の話に入る前にまず見て欲しいのはお庭です。本のなかでエクステリアの重要性を書きましたが、大分参考になるところがいくつかありました。まず、この写真ですが、木はたぶんキンモクセイだとおもいますが、下のほうの枝を全部切ってしまいキノコのような形にしています。しかもそれを何本かならべることでコミカルな演出をしています。

 

 逆光でみにくいのですが、これは木がトンネルのようになっています。実はこれは2本の杉かモミ系の木をななめに植えて、トンネルのようにみせているものです。この写真は大きいですが、もっと小さなものもたくさんありました。
 この写真は、ちょっとあぶないのですが、木をななめうえて日陰をつくっているものです。大きくなると倒れますから、頻回に枝きりが必要ですが、もっとちいさなもので、こんな遊びをして木の下にベンチなんかおくと楽しそうです。
 これはパンフレットからとりましたが、同じ木を左右になれべて道をつくっています。こんな長い道をつくるほどのお宅はないでしょうが、たとえば入り口にシンボルツリーを植える方は多いとおもいますが、左右二本でうえてみると、なかなかいい雰囲気かもしれません。
 さて、本題の不可能の家をみていきましょう。
この家はハウジング学からいくと、壁は白のモルタルで、屋根は瓦屋根。この辺は茶系の瓦屋根が多いのですが、この家も同様のやや光沢のある赤茶系瓦です。日本でも山口県なんかに多くみられますよね。で木造です。海岸側は2階ですが、陸側は平屋です。つまり傾斜地に建っています。私はソウル、チュンチョン、チェジュそしてプサンと参りましたが、韓国の一般の新築の家は、総じて木造で、外壁はモルタルかコンクリート、屋根は瓦ですね。オンドルといういわゆる温水式の床暖房をどこの家でもとりいれており、床はオンドルのあるところはコンクリートかリノリウムのような樹脂が多いと思いました。オンドル以外の場所はフローリングというよりももう少し体の悪い木質床です。日本では壁はサイディング、屋根も瓦は少なくなりました。おもしろいのは新築の家は外階段と屋上をつくっている方が多く、特に大きな意味はないようですが、ブームなのでしょうか。屋上は洗濯ものを干したり、子供が遊んだり、キムチを作ったりするときに利用しているようです。確かにソウルやプサンでは、高層のマンションが多く、韓国でも土地付きの一軒家はみなさんの夢であるようです。
 話をもどしますと、この家は南が正面になります。日本の古い尺度での4畳半が4つ4隅にあって、それを外廊下でつないでいるというイメージです。正面は左右対称になっていて、左右に窓が2つづつ。この窓は同じ形で周囲にあり、小さなひさしと30cmくらいのバルコニーがついていて、そこに花をおいたりできるようになっています。窓枠は木で一層のガラス窓ですが、ひさしとバルコニーはモルタルの壁と一体になっています。
 中央の入り口はみなさんがドラマでみたとおり、アーチ型で背の低い門を開くと中にはいれます。もちろんチュンサンの乗ったカートもおいてありましたよ。
 さてここまでは誰でもみせてもらえます。ここからが、わが夢家取材班の真骨頂!いよいよ内部に潜入です。建物の向かって右側(海側)からこっそりいれてもらいました。東側はなだらかに海にむかう崖。その面が2階建てになります。一階のなかは?。。。みせてもらえませんでした。東面の一階中央がややでっぱっており、そこに一部屋あるようでした。その上にあるのが、ドラマで二人が再開した海の見えるバルコニーです。
北側に外階段があり、これを上っていよいよ中に入ります。
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